神奈川県大和市の社労士事務所 中野屋│労働問題の解決PRO

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【2026-⑪】地道に削減!「行動コスト」を減らして安全な職場へ

「行動コスト」という言葉は経済の話題で登場することが多い言葉ですが、安全衛生の分野でも関係があります。

 

安全衛生において行動コストが大きい状況だと、以下ような思考が巡ることでしょう。

 

  • お金がかかる
  • 時間がない
  • 面倒くさい

だからこのままでいい

危険行動へ突入・・・!

 

これはかなり単純化しているので、実際はもっと複雑に思考が巡っていると思います。

けれど、ほんの小さな判断なら日常的に頭をよぎるのではないでしょうか。

 

手間をかけるのが面倒だったり、急いでいたり、集中して取り組んでいたり。

目の前の仕事に向き合っていると、その最中に別の行動を取ることをついためらってしまいます。

 

安全のために必要な行動なのに、そのための行為に負担がかかる。

このような「行動コストが高い」という状態は、危険を回避する機会を失わせ、労働災害の発生に直結です。

 

そこで今回は、この言葉と安全衛生とのかかわりについて、私なりの考えを述べます。

「行動コスト」という言葉は専門性が高く、多くの意味が含まれているので、この言葉自体の詳述はしません。ご容赦くださいね。

 

あなたの職場で、安全衛生取り組みのヒントに生かしてくれれば嬉しいです。

 

 

目次

1 大きな負担に感じる

2 利益が上回る

3 まとめ

 

 

1 大きな負担に感じる

 

「行動コストが高い」とはどういう状態か。

私の考えは、冒頭でも少し触れたとおりです。

 

  • 手間をかけるのが面倒
  • 時間がなくて、急いでいる
  • 今、集中している

 

人間はこのような状況だと、違う行動を取りたくなくて、現状維持のまま進めたくなるものです。

今の行動を中断して別の行為を間に挟み、また元の行動を再開させるのが大きな手間で、ムダに感じてしまうからでしょう。

 

脚立に上っているときに、作業が進むにつれて重心が移って不安定になったら、重心が安定する位置に脚立を移動するのが正当です。

けれど、一度脚立を降りて、ほんの少し横に移動させて、また上って作業を再開させるこの行為が、実際以上に大きな負担に感じるときがあります。

「このまま進めれば、早く終わる!」と、頭をよぎる心理は理解できます。

 

重心が不安定な脚立で作業をしていたら、バランスを崩してそのまま墜落、または脚立ごと転倒です。

負傷は避けられません。

このような結果につながることは誰もがわかっているのに、それでも安全行動を取らないのは、そのための行動コストが高いからと言えるでしょう。

 

高い行動コストを下げるには、高くなった原因を解消することが第一。

  • 手順を簡略化して、手間をかけない。
  • 急がせるほどに、時間を圧迫しない。
  • 手元に没頭せず、安全にも意識を向ける。

原因に対処して行動コストを下げ、ストレスもためらいもなく自然に安全行動を取れる心理状態を醸成することが理想です。

 

行動コストを高いと感じるのは、各個人の心情や主観なので、人によってその程度が異なります。

 

職場として何か対策を取るときには、なるべくその職場の共通項から着手すると良いでしょう。

多くの人が感じている共通の課題に対処すれば、効果をより幅広く及ばせることができます。

 

職場の中での聞き取りやアンケート、過去の労働災害の傾向の分析など、地道なデータ集めから始めるのが近道です。

そうして集まったデータは内容が具体的だから、対策が取りやすいはずですからね。

 

職場の何が行動コストを高めているのか、まずはそれを把握しましょう。

 

 

2 利益が上回る

 

労働災害を減らすためには、行動コストを高める原因を解消するとともに、もうひとつ。

安全行動の有効性を知ってもらうことも大切です。

 

  • どうするのが安全行動か。
  • 危険を回避しないとどうなるか。
  • その労働災害は自分に何をもたらすか。

これらを知ってもらい、「だから安全行動は必要だ」と理解すること。

 

人間は「安全行動の利益が行動コストを上回る」と理解しているときには、そのための行動にストレスもためらいも感じることなく実行できます。

 

  • 労働災害がいかに危険で、悲惨か。
  • 安全行動がいかに大切で、容易か。

 

先述したとおり、各個人の心情や主観には程度の差があります。

人によって認識に差が出ないように、これらの理解醸成は職場全体、組織的に進めましょう。

 

一人ひとりの理解は重要ですが、職場の安全は団体戦です。

各自の努力に任せきりになることなく、職場として責任をもって理解醸成に努めましょう。

 

職場ごとの安全衛生講習で実験映像や動画を視聴するだけでも、意識はだいぶ変わると思います。

このような取り組みにより、「利益がコストを上回る」でしょう。

 

 

3 まとめ

 

「行動コスト」という言葉には、経済的な雰囲気が漂います。

安全衛生において、費用対効果を金銭で示すのはなかなか難しく、利益が見えにくいことが取り組みの機運が高まらない一因でもあります。

 

「労働災害が起こらないのが最大の利益」と考えて、各個人と職場の両方で行動コストを下げる取り組みに努めましょう。

 

  • 「手間をかけるのが面倒」などの心理は行動コストを高める。実際以上に強いストレスを感じることも。
  • 安全行動を面倒に感じたら、地道にその原因を解消する。共通の課題の解消が効果的。
  • 安全行動にはコストを上回る利益があることを全員が知ること。職場全体で理解醸成に努める。

 

仕事をする一人ひとりは、安全のためにためらわず行動コストをかけましょう。それによって何も起きないのが最大の利益なのですから。

これは金銭的な損得の話ではありません。

 

逆に、事業をつかさどる経営者・管理監督者は、行動コストと安全行動を金銭に換算して考えてみてください。

少しのコストを省いたばかりに、大きな利益を失うことにすぐに気づくはずです。

社内の労働災害を減らして安全な職場づくりを進めたければ、この視点を持って取り組むことです。

 

安全衛生の利益は目には見えませんが、そのための行動コストを下げ、支払うことをためらわない意識づくりに努めてください。

「最小の出費で最大の効果を生む」という概念は、安全衛生でも共通です。

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