元労働組合執行委員の社労士
労働組合での経験は多様だった
「現場」で働いていました
労働組合は、会社で働く労働者の団体。
ということで私も、勤務していた会社の従業員としてその会社の業務に従事していました。
私が勤務していたのは航空機の整備を請け負う会社。
私はその会社の整備の現場で、航空機整備の仕事をしていました。
ヘルメット、作業着、工具。
騒音、粉塵、有機溶剤。
「現場の仕事」は、なかなか過酷でした。
私の現場経験は通算で12年間になります。
私は今は社労士ですが、初めから労務管理の仕事をしていたわけではありません。
「現場」で働いた経験は、私の社労士としての価値観を大きく育んでくれました。
この経歴もまた、社労士としては稀有であると思っています。
働く人の本音を学んだ
航空機整備の仕事は、それ自体が大変な労働です。
暑い寒い、重い、汚い、危ない。
加えて、当然ながら高い品質が求められ、失敗が許されない強い緊張感が続いていました。
大変な労働と、強い緊張感。
これらを日常的に感受していると、働く人の中には不満が芽生えやすくなります。
私が現場にいたときも、労働組合にいたときも、多様な意見が聞こえてきました。
私は、働く人たちの本音を、かなり近い位置で聞き続けていたのです。
厳しい作業環境と、「現場の人間の気質」というのも相まって、私は現場の本音を豊富に学ぶことになりました。
経営者との対話を重ねて
私は現場での勤務ののちに、労働組合に専属で従事することになりました。
労働組合は労働者の働きやすさを追求する団体。
それと同時に、経営者と対話する役割でもあります。
私は組合専従となってからは、会社の経営者や幹部社員と対面して話す機会が格段に多くなりました。
それは、組合としての意見を伝えるだけでなく、経営者の思いを聞き取る場でもありました。
経営者の「会社をこのように作りたい」という、理念に触れることが多かったのです。
そしてときに、会社の理念に共鳴して、組合として従業員にその理念を説明する機会もありました。
「労働組合が会社の意見を組合員に説明する」というのは立場が反対向きですが、会社の経営のために必要であれば、組合はそのような役割を担うこともあります。
経営者との対話を重ねて、「労使相互の理解があれば経営は安定する」ということを学びました。
経営者の意思を知ることは、労働者の働きやすさにもつながるのです。
今では、労働組合での経験は、会社経営を理解するための大きな礎になってくれています。
