【2025-⑥-1】時間数支払方式
「時間数支払方式」
危険度:低
基本給に、固定額の手当を付加して支給する方式です。
時間外労働の時間数を元に計算して固定額の手当が決められます。
客観的で公平・平等。誰にとってもわかりやすい方式なので、私は労働紛争の危険度を「低」、つまり安全と評価しています。
従業員一人ひとりに対して、固定額の手当を計算する必要があるので、この過程を負担ととらえるかどうかでしょうか。
計算式は次の通りです。
(複雑に見えますが、考え方は意外に簡素です)
- 総支給額を先に決める場合
①
総支給額÷
(月の所定労働時間 + 月の固定残業時間 × 割増率)
= 時間単価
⇓
②
時間単価 × 割増率
= 残業単価
⇓
③
残業単価 × 月の固定残業時間
= 定額残業代
例
①
300,000円(総支給額)÷
(160(月の所定労働時間)+30(月の固定残業時間)×1.25(割増率))
=1,519円(時間単価)
⇓
②
1,519×1.25
= 1,899円(残業単価)
⇓
③
1,899×30
= 56,970円(定額残業代)
300,000円(総支給額の内訳)
243,030円 + 56,970円
(基本給) (定額残業代)
上記の計算式は総支給額を最初に設定していますが、数値の配置を変えれば基本給を先に設定してから求めることもできます。
- 基本給を先に決める場合
250,000円(基本給)÷160時間×1.25×30
=58,620円
250,000円(総支給額の内訳)
250,000円 + 58,620円
(基本給) (定額残業代)
どんな賃金形態であっても、基本給が決められていれば、時間単位の賃金額を求めることはできます。
それを元に割増賃金額も計算できるというわけです。
そしてこの方法は、従業員の誰に対しても平等に適用できるので、計算結果に対して説明ができます。
従業員側から不満や疑問が投げかけられたときにも、明確に回答できるのが大きな特徴です。
どんな制度でも、「説明がつく」というのは大切な要素です。
それができるこの方式を、私は最も安全であると評価しました。
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