【2026-⑮】人あっての仕事 助成金は人材確保の後押しに!
以前の記事で「助成金で儲けようと考えてはいけない」ということを申しました。
助成金は、企業の利益ではなく経営改善の後押しであり、受給を目的化することは慎むべきである、という内容です。
【関連ページ】
【2026-⑭】目的は何ですか? 助成金申請で正しく進むために
では、目的とするべき適切な使い道とは何でしょうか。
「経営改善」という広範な言葉は何を意味するのでしょうか。
今回は、助成金を活用して会社が取り組むべき経営改善と、適切な使い道の考え方を私の解釈で記述します。
助成金を活用したいと考えている経営者のあなたには、ぜひ私と同じ考えをもって、目標に向かって進んでほしいと思います。
目次
1 最大の不利
2 炎を燃やす風
1 最大の不利
経営改善については、【2026-⑭】の記事の中で一部触れているので、あらためてここでも記載します。
- 非正規社員の正社員化
- 賃金の引き上げ
- 多様な有給休暇制度の導入
- 育児休業制度の充実
- 生産性向上のための設備投資
など
これらの作業を行うことが経営改善であり、これらの作業を行うことが、助成金を受け取るための要件となっています。
なぜ、これらの作業が助成金の対象とされているのか。
現代の企業にとって、必要だからです。
これらの作業が行われていない会社は、「企業経営として不利な状況にある」というのが、現代の認識です。
私はこの「不利な状況」というものを、「人の確保が難しい状態」と解釈しています。
上記に挙げた経営改善の作業はいずれも、会社で働く従業員の労働条件を手厚く拡充させる施策です。
これらが実施さると従業員はより良い条件のもとで働き、労働の満足度は高まるでしょう。
これらが実施されないと、どうなるか。
従業員は劣悪な労働条件で働くことになり、労働者としての権利が十分に守られない――だけではありません。
会社から、人が離れていきます。
働く条件が悪いと感じたら、人は会社を離れる。
暑ければ熱中症になるのと同じくらいの自然現象です。
今どきは、指をちょっと動かすだけで、労働に関する情報や知識はすぐに手に入ります。
情報空間には、各企業の労働条件の「評価」や「格付け」であふれています。
自分が勤務している会社が世の中のどの位置いるのか、現在地を知るのも簡単でしょう。比較は容易です。
人手不足の労働市場も相まって、人は離職や転職を判断しやすくなっています。
会社の就業規則の整備が遅れていて、会社としてそれを改正する意思も感じられないとなれば、従業員から見切りをつけられても仕方がありません。
事業の戦力である従業員が会社から離れる状況は、十分に「企業経営に不利」と言えるのではないでしょうか。
現代の会社には、経営改善が必要
↓
けれど、それがなされていない会社がいまだ多い
↓
助成金を支給して、経営改善を後押し
↓
経営が改善され、会社が元気に
国が助成金を設定して、このような構図で会社に経営改善を後押ししているのは、なるべく早く不利な状況を脱してほしいからだと、私は考えています。
- 本業で利益が出ない
- 取引先からコスト削減を求められている
- 新しい販路を開拓できない
経営にとって不利な状況というのは挙げれば尽きないでしょうが、私は「人を確保できない」ということが会社にとって最大の不利だと思っています。
仕事あっての会社ですが、人がいてこその仕事です。
助成金の最終的な目的は「人を確保するため」と思ってください。
2 炎を燃やす風
会社から人が離れる原因は、そのまま「会社に人が入ってこない」原因にもなります。
新卒、中途、内定辞退・・・。
前時代的な雰囲気が漂っていたら人は避けて通るものです。
人の確保は会社の未来。
従業員が増えることは、単に会社の労働力の強化だけにとどまらず、10年後、20年後の会社の基盤づくりにもなります。
そんな大事な「人の確保」ですが、そのためには労力も費用も安くは済みません。
人を採用するには多くのものを費やすことになります。
会社の制度設計にかかる費用もそのひとつです。
助成金は、その費用負担を軽減するための補助。
コストの一部補填です。
医療費が、本来なら10,000円のところが3,000円で済むようなものです。
かかった費用が穴埋めされる実費償還や等価交換ではないことにご注意。
だからこそ、私は助成金のことを「経営改善の後押し」と呼んでいます。
【関連ページ】
【2026-④】人手不足を解消する! 人材難でも人を獲得するための心得
経営改善を実施するかどうかは会社の意思、心次第。
その意思があって初めて、助成金は効果を持つに至ります。
自らは燃えないけれど、激しい燃焼を促す、酸素のようなものでしょうか。
激しい運動や山登りでも、酸素を吸入して体調を整えることがありますね。
経営改善という意思の炎に、助成金という酸素の風を吹き込んで、人を確保できる会社を作る。
こんなたとえで助成金の活用をイメージできるでしょうか。
逆にわかりづらくなってしまいましたか?
助成金を上手に正しく使えるかどうかは、「人を確保するために経営を改善したい」という目標を最初に持つことにかかっています。
だからこそ、私は目的を堅持することを繰り返しているのです。
助成金は、人を確保するために使う。
この目的を持っていれば、きっと経営は改善されます。
助成金の申請を考えているときは、この意志を大事に持って社労士と相談してくださいね。
